著者 二宮厚美
■――どんな本
格差社会容認の格差社会論を斬る!
格差社会がつきつけるものは不自由<貧困>と不平等<格差>である
格差社会化の問題は、実は不自由の増大、したがって貧困の深刻化でもあるということである。
格差社会化は、近代社会の証である自由・平等の理念にたいして、それとは正反対の不自由(貧困)と不平等(格差)という二つの問題を私たちに同時につきつけている。
四六判、上製、288頁
ISBN978-4-903295-11-4
定価 2400円+税
発行 山吹書店 2007年
発売 JRC
■――目次
第一章
格差社会を抉りだす視点と指針
第二章
現代日本の複合的・連動的な格差社会の構造
第三章
格差社会化の背景と格差容認のイデオロギー
第四章
羊頭狗肉のキャッチコピー「希望格差社会」論批判
第五章
現代日本の格差社会論の諸潮流
■――著者紹介
二宮 厚美(にのみや・あつみ)
1947年生まれ。神戸大学大学院人間発達環境学研究科教授。経済学、社会環境論専攻。
主な著書に
『現代資本主義と新自由主義の暴走』(1999年、新日本出版社)
『自治体の公共性と民間委託』(2000年、自治体研究社)
『日本経済の危機と新福祉国家への道』(新日本出版社、2002年)
『構造改革とデフレ不況』(萌文社、2003年)『構造改革と保育のゆくえ』(2003年、青木書店)
『憲法25条+9条の福祉国家』(2005年、かもがわ出版)
『ジェンダー平等の経済学』(2006年、新日本出版社) 『福祉国家の姿とコミュニケーション労働』(文理閣、2007年)など、多数。
■――本書のねらい
本書の第一のねらいは、格差社会を克服する視点、理論的見通しを定めることである。
格差社会化の現実は克服の対象であって、言葉を厳密に使い分けていうと、修正・是正の対象ではない。
格差社会化の進行は、単にその行き過ぎに歯止めをかけるとか、その方向を修正・是正すればよいといった問題ではなく、また格差社会の後に続く「脱格差社会」を探ればよいといった問題でもなく、真正面から打開・克服すべき問題なのである。